ドーム郡シリーズ3(完結編)『真実の種、うその種』
芝田勝茂・作、佐竹美保・画、発行・小峰書店
[ISBN] 4-338-19303-4
2005年7月23日 発売 ¥2,625 (税込
- = あらすじ =
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枯れ果てたと思われていた、人の心を凍らせるフユギモソウの種が見つかった。それをどこかへ捨ててくる任務を受けたテオ、リン、トーマの3人は長い旅に出るのだが、行く手には戦いや別れが待っていた。
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できれば、この文も読まずに、本文をいきなり読んでください、というのがわたしの願いです。でも、ちょっとだけ。あ。耳をふさいだあなた。それは正解です。
『虹の戦争』と呼ばれたアイザリアの大乱、王女「ラクチューナム・レイ」の即位式と失踪という事件のあった時代からさらにくだり、クミルやノームが活躍したドーム郡は、いまや「さすらいびと」の根拠地として、その名はアイザリアにとどろいていました。しかし、他国からは「王のいない」変わった国としてアイザリアの平和はいつも緊張を強いられているのでした。 さて、その昔、『古代アイザール』という帝国を築いた帝王ラドは、晩年になって、不老不死の薬を求めて、湾岸諸国のそのまた向こう、ボエリールと呼ばれる海のかなたの『ゴドバール』という島にたどりついたのだという伝説がありました。そこには<世界の根源>といわれる泉があるというのです。そして今、その島国ゴドバールが、アイザリアを含めたイシュゴオル(東大陸)に侵攻しようとしているといううわさが、辺境ドーム郡にもきこえてきたのでした。 ちょうどそのころ、ドーム郡にも、おかしなことが起きていました。ふしぎな「種」が発見されたのです。なんとそれは、フユギモソウの種だというのでした。……かくして、ドーム郡のさすらいびとには、ふたたび、世界の平和の根幹にかかわる<任務>が課せられることとなったのです。運命の導きか、ふしぎな縁でむすばれたドーム郡の三人にむかって、白羽の矢は立てられたのでした。少女テオ、少年リン、そして道大工トーマの三人がはこぶ小箱に入ったちいさな種は、じつは世界の重さを持っていたのです……。
- = 書評 =
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「風雲童話城」より、越水利江子氏の「季節風」掲載書評。
「うさぎ屋本舗」より、妹尾ゆふ子氏の読書録「真実の種、うその種」。