幾つかの枯葉と 淋しさの愛し方


枯葉が空から落ちてきた時
君はそれを大事そうに
手のひらに受け取る

一度なくした恋のかけら
受け取るように
鞄の中の本に閉じた

僕は君のそんなところが忘れられなくて
去り行くもののはかなさを知る
淋しさの愛し方が....。

気にしないでくれると嬉しい
僕が求めたそのことに
答えられなかったとしても

静かすぎたふたり
銀杏並樹を歩く
枯葉を踏みしめる音さえ
凛として響いた

君は今でもあんなふうに
幾つかの枯葉
手にとるだろうか
去り行くもののはかなさを知る
淋しさの愛し方で

気にしないでくれると嬉しい
僕が求めたそのことに
答えられなかったとしても

君には返しそびれた本の中に
幾つかの枯葉
樹々はまた 新しい生命を
吹き出す準備を始める


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