| 2007年11月29日 |
★虫めずる姫の感想・その2〜東大駒場祭にて〜
★掲示板に登場した秀真くんは「東京大学児童文学を読む会」に所属していて、今年の駒場祭(11月23日〜25日)で『虫めずる姫の冒険』の感想と本を展示してくれました。ちなみに『ドーム郡ものがたり』の読書会もやっておられたようですね。
ご本人の許可をえて、展示された感想をそのまま掲載させていただきます。
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虫めずる姫の冒険
芝田勝茂 作/小松良佳 絵
『堤中納言物語』という古典(アンソロジー)のなかの『虫めずる姫君』をイメージしたファンタジーです。舞台は平安時代の京の都で、虫好きな貴族の姫君が、葵祭りの行列を、とつぜんおそったハチの大群から賀茂の斎院を助け、それから、なぞの金色の虫の関わる事件を追っていくという物語です。
この虫めずる姫のキャラクターがとても魅力的で、彼女は平安時代の貴族の娘なのに、虫を集め、簡素な格好でいろんな所に出歩き、家事も得意だという明るい少女で、この少女が虫を巡る冒険をするというのが面白いです。
平安時代というと、難しそうに思えるかもしれませんが、とてもわかりやすく書かれていて読みやすく、また、玉虫厨子がこのストーリーの鍵となるなど歴史的な要素もうまく利用していて、歴史の知識があれば2倍楽しめるというようになっています。
ちょっとおてんばで、行動力のある姫に連れられるようにして、ストーリーも楽しく軽快に進んでいくので、非常に読みやすく、あっという間に読んでしまいます。そして、なによりこの少女が、小松良佳さんの絵とあいまってとても可愛らしく、虫だけでなく様々なことに博識でかしこく、勇気もあるが、女の子らしく怖がる部分もある、本当にチャーミングな少女だというのが、この小説の一番の面白さだと思います。
平安時代に、本当にこんな素直で自由な少女がいたと考えると、わくわくしてきます。彼女が部屋中虫だらけにしていても、怒るに怒れない大納言(お父さん)も面白いです。
こんな平安時代の「少女」、虫めずる姫は明るくとっても可愛らしい、虫好きの少女ですので、ぜひ読んで姫と一緒に冒険をして、彼女の魅力を味わってみてください!
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秀真くん、ありがとう〜〜。20歳になったらいっしょに飲もう!(こら)。
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| 2007年11月20日 |
★『虫めずる姫の冒険』みなさんの感想。
★『虫めずる姫の冒険』出版後1ヶ月、みなさんからの感想もほぼ出そろった気がしますので、ご紹介しておきます。まあ作者へのメールやお手紙ですから、悪いことは書いてありませぬ。掲示板の松原さんの感想も流れてしまうのは惜しいので、入れさせていただきました。それぞれお名前は伏せます(名前を出したらその豪華な顔ぶれに児童文学関係者はのけぞってしまいます)。
★全体について。
■出だしからびっくり、日本史にめちゃくちゃ弱いわたしにはとても勉強になる!つまりは知らない言葉だらけで(いばるなってば)、でもそれが読み進めるのをぜんぜんじゃましないように書かれてあって、楽しく一気読みしました。わたしは時代小説がどうも読めないんですけど(だからいばるなってば)、子どものころにこんな素敵な物語に出会っていたらちがっていたはず、と読者の子どもたちがうらやましくなりました。
■芝田さんならではの歯切れのよい文体、つぎつぎと起きる意外な出来事にひきこまれて、ひと息に読みあげました。本当に心から楽しませていただきました。
■平安時代はなかなか児童文学としては書きづらいところがあるのですが、なるほどこういうやり方があったのかと、驚いているところです。どうしても怨霊や陰陽師に走りそうになる世界を、こんなにたのしく描いてくださるとは思ってもいませんでした。
■平安ファンタジーというのは初めて(サラシナは平城京でしたよね)だったけど、現代の言葉づかいなのでサクサク読んでしまいました。いやもう、むちゃくちゃおもしろかったです!
■キャラクターが生き生きキラキラしていて、爽やかな気持ちで読み終わる事が出来ました!表紙からして「時代物」なのに、和歌も喋り方も現代風にアレンジされていたせいなのか、場所も名称も難しい格式張ったイメージや違和感も全くなくすんなりと平安時代の「中」と「外」を把握できて、とても読みやすかったです。
★主人公<虫めずる姫>。
■虫めずる姫、すごくキュートで。 あまりの愛らしさ、かしこさ、おちゃめさ、そして強いのに、きゅん死にしました。 強くてかわいいのが、真の女らしさなのでは?などと考えるのでした。
■主人公のカッ飛び具合が最高ですね。
■虫めずる姫がスゴク魅力的でした!
■野生的で、物おじしない姫の魅力的なこと!!
■枠におさまらないやんちゃ姫の活躍、快感で楽しかった
★評判がよかったのが、<蝶めずる姫>だったのはおどろきです(笑)。
■蝶めずる姫もいい味だしましたし。
■蝶めずる姫は良いキャラしてて、ぐりぐりかわいがりたい気分でした。
■蝶めずる姫もおもしろくて……2人のコンビがすごくテンポよくてゆかいです。
■おとなりの、蝶めずる姫も、スタンダードな姫のようでいて、結構個性的(蝶だって、虫だもん!)ですよね。ずけずけものを言うところとか、好きです。
■たとえば「あんた、慣れないこと言うから口がもつれるのよ」という蝶めずるお姫様の台詞が耳にこびりついて、思い出し笑いをかみ殺す一日でした。
★……いやもう、蝶めずる姫がきいたら「ほーらごらん、わたしが一番でしょ」とますますふんぞりかえりそうな勢い。さて、その他のキャラでは。
■個人的に好きだったのは斎院さまで、なんかナルニアの「白い女王」みたいでしたね。(*^_^*)いいなあ、こういう悪役。ラストに登場したアレは「ゴジラ怪獣島の決闘」にでてきた*****と****(ネタバレにつき伏せ字)みたいで、ウケまくっていました。
■主人公と法師とけらら丸にときめきを感じました(笑)
■聖徳太子のイメージがぐんとアップしました。
■巨大虫は、CG映像でぜひ見たいです
★……コピーしていて恥ずかしくなってきましたのでこのへんで。どうも、みなさん、うれしい感想をありがとうございました。おほめに恥じないよう、これからも精進いたします。
まだの方もどうぞお早めにお買い求めください(こら)。
↓うさぎ屋さんのレビュー。こちらもぜひごらんください。
http://usagiya.hontsuna.net/article/1955049.html
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| 2007年11月07日 |
★杉並区の中学生書評座談会
10月の都庁での読書フォーラムで、この書評座談会を実施している先生方がレポートされた縁で、今回来賓参加させていただきました。今年は第49回。
会場につくと、わたしの『星の砦』が取り上げられたとき(13年前でした)にお世話になった池田先生などに暖かく迎えられて感激。それだけでなく、フォーラムに参加された方々(子ども図書館の小山さんや清水さん、富田先生)がおられたことに驚きました。あのフォーラムから、こんなふうに輪がひろがっていることや、当日発表してくれた中学生の先生からご挨拶されたこともうれしかった。
今回のテーマ図書は、『レネットー金色の林檎』(金の星社)。今年この作品が日本児童文芸家協会の協会賞をとったので、そのときはじめてお会いして以来、なにかと縁のある(笑)名木田恵子さんの作品です。
舞台は北海道。こころに痛手を負った一家が、チェルノブイリで被曝した少年をひと夏ホームステイさせます。被曝によって『病気の花束』をからだじゅうに抱えた少年セリョージャが、兄を失った家族、特に母親からほとんど見捨てられてしまった少女海歌(みか)に惜しみなく与える記憶の数々……。登場するひとびとの存在感は圧倒的で、そのこころの痛みがひしひしとせまり、生きていることや、生きていくことのつらさといとしさが湧いて来ます。
二百名近い中学生が、この重い作品について、さまざまに語りはじめます。
家族の崩壊について、それぞれの行動について、みんなが学校の名前が書かれたうちわをあげ、司会が指名するのももどかしく発言していきます。
13年前のわたしもそうだったのですが、名木田さんもどうやら同じ思いをもたれたらしい。「少女の家族がここにいるようだった」そう。こんなにたくさんのひとたちが、ひとつの作品のさまざまなことを語ると、書き手は、それを書いたときの、登場人物たちの息づかいまで、ありありとよみがえるのです。たぶん、百回以上の発言があり、そのひとつひとつに、発言するかれら自身の<生きている今>も感じ取れる、なにか壮大な実験に立ち会っているような、そんな3時間でした。
ひとつひとつの意見がなかなか交差しないので、言いっぱなし、というかたちが多いのですが、それでも、あの場にいる少年少女たちにとっては、いま、ここにいる、ということが重要だったのではないかと思います。
きみたちの「今」でしかいえない、きけない珠玉のことばを、たしかに受け取りました。すばらしい時間をありがとう。
かかわられた先生たち、ほんとうにご苦労さまでした。来年も参加したいです。
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