2007年10月25日
★『虫めずる姫の冒険』(あかね書房)10月25日発売

芝田勝茂16冊目の単行本は、『虫めずる姫の冒険』です。
挿絵は小松良佳さん。あかね書房の新シリーズ、小学校の中学年をターゲットとした
『スプラッシュ・シリーズ』の1冊目を飾るという光栄に浴しました。
ご存知『堤中納言物語』という古典(アンソロジー)のなかの『虫めずる姫君』をイメージしたファンタジーです。
以前から、平安の昔に、こんなに<現代風な>自己を主張した女性が描かれていたことに驚嘆していました。でも、虫を愛で、自然な姿こそ尊いという「すっぴん」の姫の話がどんなふうに続くのか。「二の巻につづく」とした原典の作者もじつはさじをなげてしまったのではないかと思います。
編集者の、「ぜひやってください」という声に励まされ、この無謀な挑戦に同意したのは2年前。
最初、タイムファンタジーを考えたのですが、書き出してみると、構想とはかなりちがう物語が紡がれていきました。時代は平安、小学生読者に、難しい用語をいかにやさしく、わかりやすく(しかも間違いがないように)書くかということを心がけながら。
書きすすむにつれて、あらわれた姫や、その仲間たちのキャラクターが楽しく、毎夜、会うのがうれしかったものです。約3ヶ月で初稿ができ、渋谷の喫茶店で編集者と話をしたとき、「絵は小松良佳さんにお願いしましょう」ということになり、その場で携帯から彼女に連絡。いきなりかいっ。でも小松さん、快く承諾してくださいました。おかげさまでほんとにいい本になったと思います。
編集者の帯も、<元気な姫が大活躍する、スペクタクル・平安ファンタジー!!さあ、どうする『虫めずる姫』!?>と、のりのりです(笑)。
小学生諸君、文も絵も、きっとたっぷり楽しめますよ。本日発売です!
2007年10月22日
★都庁で講演会(10月21日)
行ってきました。『子ども読書フォーラム』@東京都庁第一本庁舎5Fホール。
当日朝、都庁につくと、『子ども読書フォーラム』というプラカードを持って案内をされている方が。そしてもう入り口から、ホールまで、都職員のみなさんがこの催しのために……つまりわたしたちのために休日を返上して会場整理にあたっておられるのです。通された「講師控え室」の豪華さにこれまたびっくり。天井はほぼ3階分くらい、窓からは都庁の広場が一望です。
打ち合わせのあといよいよ会場へ。よかった。お天気のいい休日だし、いったいお客さんがいるだろうかと思いましたが、200人ほどの入りだったかな。中学生、保護者、そして図書館関係の方々。
プログラムどおり、まず4名の中学生諸君によるスピーチ。最初の子は学校の図書委員で、いろんな本を読んだ体験、そしてなんと『サラシナ』の感想をかたってくれました。ぐっときました(笑)。他の3人もそれぞれユニークで、ういういしくて、きいている人たちもとてもなごやかになったところで、芝田勝茂の講演となりました。
『中学生に語る<ものがたり>誕生の秘密』というタイトルの1時間半。作家となったいきさつや、『サラシナ』を書き上げるまでの体験など、たっぷり語らせていただきました。りっぱな会場で、はじめての挑戦もしてみました。つまりOHP(オーバーヘッドプロジェクター)によるスライド写真をバックに、CD録音した自作の歌(キャンプソングにしてドーム郡シリーズの中の歌です)まで披露する、という高度な(どこが〜〜)わざをつかったのであります。これは昨年の『広島こども図書館』でギターをもって講演してから、やっぱりこどもたちに語るには<歌>は大事なポイントだなあ、と痛感したことが大きなヒントになっています。だんだん「芸風」が確立してきたぞ(笑)。語っている当人は楽しかったですが、きいている方々はどうだったのでしょうか。次回より、芝田の講演会はこのスタイルで……つまり歌も写真もたっぷりのパフォーマンスにすることにきめました。来年予定の九州のみなさん、どうぞお楽しみに。
休憩ののち、第2部の「こども読書活動報告会」というパネルディスカッション。東京子ども図書館の清水さん、調布市図書館の高原さん、そして杉並区の中学校で『書評座談会』を実践しておられるお二人の先生に、元国際子ども図書館の館長富田さんが、今の子どもたちと読書について、それぞれの活動をこもごも語られました。富田さんもいっておられましたが、読み手である中学生、作り手である作家、そして、その本を現場であつかう方々が<本>について語り合う、とても幸せな気持ちになる会でした。作家の高田桂子さん、松原秀行さんも来てくださっていたのですよ。お世話になった小山さん、金子さんはじめ、都庁のみなさん、いろいろありがとうございました。
2007年10月11日
★身辺雑記〜うたう犬〜

帰宅して、ドアを開けようとしたら、中から奇妙な音、というか、声が。
♪おおお〜〜〜〜おおおお〜〜〜♪
とまあ、そんなふうに聞こえたわけで、だれかが歌っているとしか思えませぬ。
でも、玄関は真っ暗、だれも家にはいそうにないのです。
おそるおそる鍵をあけて、家の中に入ったら、いつものようにうちの次男もとい、
今年14歳になるヨークシャーテリアのボブがよたよたとわたしをお迎え。
そのときふと、娘(これは本物の人間です)がいつかいっていたことを思い出しました。「ボブってねえ、家にだれもいないと(ボブが思っているとき)、ひとりで歌ってるんだよ」
そのときは、そんなばかな、と思ったのですよ。当然ながら。娘は怒って、「信じないならいいわよ。あのね、こころのキレイな人にしかボブの歌はきこえないんだから」などとのたまわっておりました。
我が家には「こころのキレイな人にしか見えない」ものはいくつかあり、最近では裏の林に棲んでいるタヌキの一家も、そのひとつでしたが、これは首尾よくわたしも見ることができましたが、まさかねえ、犬が歌うなんて。でも、きけてよかった。二度とこんなことはないだろうと思いました。最近こころがかなりキレイになったのかも(笑)。でもボブは、「歌ってただろ」といっても、「何の話?」と知らん顔。
今夜も好物の、なまの大根とか人参をねだっております。変なやつ。