2005年05月24日
★朝のバス。

駅まで歩こうかとも思ったんだけど、ちょうどバスがきたので乗りこんだら、座ったのがいちばん前の席。なんか窮屈に足を曲げねばならない席なんです。で、つぎの停留所が某病院前なのですが、乗ってきたおじいさんが隣に立ったので、肩をたたいて「替わりますよ」といったら、「いや、いいんです」とにっこりして「わたしは腰の複雑骨折で、こういう席には座れないもんで」「あー、そうなんですか。複雑骨折とはまた……事故ですか?」「そうそう。このへん(と、荷台を指差して)から落っこちてね」お仕事は建築とか工事関係なのだろうか。つぎのバス停で、こんどは赤ちゃんを抱っこした女性が乗ってきたのでまたしても「替わりますよ」といったら、「いえ、大丈夫です」とにこやかに。「今朝は2度も断られてしまいました」とおじいさんと笑った。「その複雑骨折の手術ができなくて、足が曲がらなくなったんですよ」とおじいさんは話を続ける。「どうして手術できなかったんですか?」「いや、わたしも知らなかったんだが、じつは糖尿病だったんです。血糖値が高くて、それでね」「糖尿病なのに気付かなかった?」「そうそう。なんだか半端じゃなく眠いとか、疲れるとは思ったんだけどね、歳のせいだと思ってたら」どき。最近わたしも眠いし、疲れる。「糖尿病になられた原因とか、ありますか?お酒を飲まれます?」「いや。酒も煙草も37歳のときにぴったり止めたんですよ」「じゃあ……甘いものがお好きなんですか?」「そう。ご飯を半分にしても、おまんじゅうを食べるね」「それはいけないでしょう」といいつつ、どき。わたしも、大福好きだし……しかも煙草をやめてから、けっこうドラ焼きやらなにやら食べるし……「今にして思えば、酒も煙草も両方やめることはなかったね。どちらかにしておけば、あんなに甘いものばかり食べなかったと思うんだなあ」「どうしておやめになったんですか?健康のため?」「いや。これをいうと馬鹿だと笑われるでしょうが、競馬をやりたくてね、そのお金を捻出するためにやめたんですよ」すげ〜。「あの頃は健康だったなあ。負けると食事を抜くしかないから甘いものも食べないし、競馬場からの帰りも歩きになるから体を使うし」健康なのかっ。駅につくまでの数分間、おじいさんの人生を垣間見させていただきました。「どうも、貴重な経験を」「あっはっは。こちらこそ、気分よく話せて楽しかった」糖尿かあ。明日は健康診断なんです〜。ÝÝ
2005年05月22日

2つの協会パーティー。

★5月20日(金)は児童文芸家協会(略して「児文芸」)、21日(土)は児童文学者協会(同「児文協」)と、連続して2つの団体の授賞式と懇親会に出席しました。まあはじめてこういうのをお読みになる方は「なんで同じような団体がふたつもあるの?」と疑問に思われるでしょうが、児文芸は創立50年、児文協は来年で60年、とそれぞれ歴史があります。日本が揺れていたときに、いろんな分裂とかがあったということですね。そのあたりのことはまたいつか<提言>にきちんと書きますが、2日間、ひさしぶりの方、はじめての方、それはもう、たくさんの方々とお会いして、両方出席したことでその違いとか、新しい流れが実感できてとてもよかった。懐具合だけです、寒くなったのは(笑)。 ★児文芸協会賞の越水利江子さん、新人賞の浅田宗一郎さん、おめでとう。HP風雲童話城の小梅ちゃんこと越水さんは、関西の作家、新しい作家たちの精神的なささえ、中心的存在で、しかも創作活動が今いちばんのっている作家でもあります。授賞式で、彼女は(たぶん多くの方の名をあげたかったでしょうに)たったひとりの<師>に感謝のことばを贈りました。山本周五郎。直接のかかわりがあるわけではなく、彼女をささえ、作家へと導いた本の著者として。「何も考えてなかったのよ」とあとで彼女はいっていましたが、<本>と<読者>の純粋な出会いがそのまま語られていて、その場にいたわたしたち作家や編集者へのなによりのことばでもありました。このすばらしい女性作家にネットのハンドルとはいえ「兄」と呼ばれるわたしはとても誇らしかった。ちなみに<姪と甥>に初対面でしたが、姪のすてきさにはくらくらしてしまいました(おい)。浅田さんは例によって僧形で、じつにいいお声。 ★新しく天沼春樹さんが児文芸の理事長になり、かつての理事会でかれと共闘(?)した仲なので、これもうれしいことでした。かげながら応援してます、といったら表で応援しろといわれた(笑)。理事をやめて以来2年ぶり、なつかしいみなさんからいっぱい声をかけられ、ひょっとしてわたしは好かれているんではないかしら(笑)、といったら芝田さんが<女の園>を嫌って出ていったのよ、と噂してたのよといわれました。嫌うなんてそそそんな。 ★角野栄子さんや山下明生さんなどに「児童文化功労賞」が贈られたり、協会50周年ということだったので、今年はとても盛大。20年ぶりに会った福音館のYさんはじめ、ほとんどの出版社が出席していました。2次会ではご指名によりわたしが閉めのスピーチ……いいんかい芝田で。 ★その翌日は児文協の授賞式、懇親会。協会特別賞はズッコケが完結した那須正幹さん、協会賞はさとうまきこさん。こちらの新人賞は『青いチューリップ』(講談社:新藤悦子作/小松良佳画)で、「近況」にもとりあげた作品です。なんと小松良佳さんに会えた!よしかさんとは『マジカルミステリーシャドー』の打ち上げ以来で、いつもお会いしたいと思っていたのでとつぜん会えてうれしかった。出版社は2日連続で大変。でも両方所属している方は、特に遠方から来ておられる方にはこのほうが便利。……う〜ん、前日の2次会でも話が出たのですが、両協会の<統一>を、真剣に考えるべきときであるのはまちがいないようです。まさしくそう感じたときに、そのタイムリーな話題をわたしにした方がおられましたが、そこから先はまたいつか、みなさんにご披露することもあるかと。二次会、講談社のほうに参加していたので、もうひとつの方は欠席してしまいました。会場でお会いして「二次会で」とごあいさつしていながら行けなくてごめんなさい。じっくりお話したかったんですけど。 ★というわけで、嵐のような2日間がおわりました。たった数時間で2つの出版社でのわたしの担当者まで決まってしまいました。すごいことだ。帰ってきたら、ドーム郡シリーズ第3巻<完結編>の表紙ができてきてました。……ああすばらしい。自画自賛とでもなんとでも。あっというまにあと1ヶ月、なんてことになるんだ。みなさん、もうしばらくお待ちください。