★朝のバス。
駅まで歩こうかとも思ったんだけど、ちょうどバスがきたので乗りこんだら、座ったのがいちばん前の席。なんか窮屈に足を曲げねばならない席なんです。で、つぎの停留所が某病院前なのですが、乗ってきたおじいさんが隣に立ったので、肩をたたいて「替わりますよ」といったら、「いや、いいんです」とにっこりして「わたしは腰の複雑骨折で、こういう席には座れないもんで」「あー、そうなんですか。複雑骨折とはまた……事故ですか?」「そうそう。このへん(と、荷台を指差して)から落っこちてね」お仕事は建築とか工事関係なのだろうか。つぎのバス停で、こんどは赤ちゃんを抱っこした女性が乗ってきたのでまたしても「替わりますよ」といったら、「いえ、大丈夫です」とにこやかに。「今朝は2度も断られてしまいました」とおじいさんと笑った。「その複雑骨折の手術ができなくて、足が曲がらなくなったんですよ」とおじいさんは話を続ける。「どうして手術できなかったんですか?」「いや、わたしも知らなかったんだが、じつは糖尿病だったんです。血糖値が高くて、それでね」「糖尿病なのに気付かなかった?」「そうそう。なんだか半端じゃなく眠いとか、疲れるとは思ったんだけどね、歳のせいだと思ってたら」どき。最近わたしも眠いし、疲れる。「糖尿病になられた原因とか、ありますか?お酒を飲まれます?」「いや。酒も煙草も37歳のときにぴったり止めたんですよ」「じゃあ……甘いものがお好きなんですか?」「そう。ご飯を半分にしても、おまんじゅうを食べるね」「それはいけないでしょう」といいつつ、どき。わたしも、大福好きだし……しかも煙草をやめてから、けっこうドラ焼きやらなにやら食べるし……「今にして思えば、酒も煙草も両方やめることはなかったね。どちらかにしておけば、あんなに甘いものばかり食べなかったと思うんだなあ」「どうしておやめになったんですか?健康のため?」「いや。これをいうと馬鹿だと笑われるでしょうが、競馬をやりたくてね、そのお金を捻出するためにやめたんですよ」すげ〜。「あの頃は健康だったなあ。負けると食事を抜くしかないから甘いものも食べないし、競馬場からの帰りも歩きになるから体を使うし」健康なのかっ。駅につくまでの数分間、おじいさんの人生を垣間見させていただきました。「どうも、貴重な経験を」「あっはっは。こちらこそ、気分よく話せて楽しかった」糖尿かあ。明日は健康診断なんです〜。ÝÝ |