★「あのときわたしの小学生ファンだったきみ」★
世の中には小説のような話がいくらでもある。もしかしたらこの子もほんとに作家になってしまうかもなあ。と、最近掲示板にやってくる「小学生作家志望」さんの才能にあふれる書きこみを見て思っていて、ふと、「そういえば……」と思い出したことがあった。やはり小学生で、帰国子女で、ピアスしてるとかいう読者からの手紙をもらったことがあったぞ。そんなに昔のことではない。7年ほど前……だったら、今はちょうどsaoriと同い年くらいか。そういえば、昨日だか芥川賞をとった女性作家も、19才と20才だといってたっけ。……ん?
あったあった。『きみに会いたい』についての読者からの手紙の束の中に。この鉛筆書きの手紙。うれしかったからとっておいたんだよね。大学ノートの紙にびっしり書いてある。裏に『You are the man who I admire from my heart』(あなたはわたしの心から尊敬する作家です)という英語。小学生がこんな見事な英語を書いている、ということでまず驚いた。それから本文が、『Dear great Novelist』からはじまる。『偉大な小説家どの』……こんなことをいわれたのも生まれてはじめて。
……そこには、ふと図書館で見つけた『きみに会いたい』を読み終えた彼女の<衝撃>が率直につづられていた。読み終えて30分ほど放心していた、という。主人公のように、彼女もまた<コドク>だったからこその感想だろうと思う。そして、当時の彼女の友人との生活がこれまたありのままに描かれ、小学生としてはあまりにもコドクな日常(上級生に目をつけられたり高校生にまちがえられたり)、自分も小説を書いていること、そしてさらにわたしの他の作品(『星の砦』『夜の子どもたち』)への言及などがあり、その内容の濃さに驚く。
きみはもう忘れているだろうけど、その昔、きみがファンだった児童文学ファンタジー作家からもひとこといわせてください。
金原ひとみさん、芥川賞最年少20歳での受賞、おめでとう。
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