Taste of rain




その時も雨が降って
君の街の駅
遅れ気味の僕

傘もささずに
濡れた黒髪の君は
水からあがったばかりの
白魚のよう

雨の味がした
唇を離さず
何かもうこのまま
見るはずの映画も
うつろな気持ちで眺めただけさ

 

 

 


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