鯨が夢に出てきた朝
昨日僕は夢を見たんだ
いつもでてくる海岸線
波も高く空は晴れて
そこに君もいた
海の底から鯨が
波打ち際に向かってくる
何かを訴えるように
苦しそうに何かを
僕は鯨が自殺する
そんな気がしてやめさせようとする
でも夢はそこまで
夢には終わりがなくてよかった
僕らは明るく暮らしているけれど
鯨は優しく暮らしているだろうか
翌朝僕は新聞の見出しの中に見つける
鯨が波打ち際で死亡した記事を
座礁したナホトカ号
流れ出す重油にまみれ
たくさんの海の生命が
奪われていった
僕はテレビでニュースを見る
何もできずにじっとする
ただ祈るばかりで
それで何かが変わるだろうか
僕らは幸せ過ぎてて見えない
平和という名の病気にかかっている
誰もが口にはできなくなっていた
優しさ憧れ生きてゆくその愛を