銀の海


ひとりきりで海辺を行けば
太陽が海に光のコイン
キラキラキラ 散りばめている
君に見せたい いまこの光を

元気になって外を歩こう
二人だけでいつかのように
手のひらに水と光
指の隙間をいま
こぼれ落ちた

水に濡れた石がきれいだから
君のもとへ 海を連れだそう
人は何故悲しみを選べない
もう一度君に海を見せたい

風を見つめ 砂浜を歩く
ハマヒルガオが白く咲いた
それははかない君の生命
限りなくひとつ煌めいている

薬品の匂いたちこめる部屋で
君のベッド並ぶ石ころ
さらさらに乾くただの石で
「きれいだね。」って君の声が聞こえる

水に濡れた石がきれいだから
君のもとへ 海を連れだそう
人は何故悲しみを選べない
もう一度君に海を見せたい

「きれいだね。」って君の声が聞こえる

 


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